2003年迄多摩川平堰付近のツバメねぐら入り調査結果
ツバメは春になると南の国から渡って来て、日本で繁殖するが、ヒナが巣立った頃になると夕方、大きな川の河原のまとまったヨシ原になどに集まり集団ねぐらを形成する習性がある。集団ねぐらの規模は季節によって変化し、7月から8月には数千羽から数万羽になることがある。
本会は1996年、多摩川の河口から約45km地点の八王子市平堰付近でツバメ集団ねぐらを発見した。1995年の調査結果(この付近での上空乱舞観察)や地元の人からの聞き取りによれば、この場所には以前からねぐらが形成されていたと思われる。本会では時期別ねぐら入り数を毎年調査している(第1表)。ピークは7月下旬〜8月上旬で推定2万羽の規模が観察される。また、谷地川の多摩川合流付近にも6月頃、小規模のねぐらを確認している。2002年には、日野市の最東部の隣りの多摩川府中四谷橋下流側の芦原にも、平堰規模のねぐらが形成されていることを発見した。
ツバメのねぐらについては、調査方法をはじめとして、形成される場所、時期、数、集塒範囲、成鳥幼鳥割合等今後明らかにすべき課題が山積している。また、ヨシ原の遷移,河川改修などによるヨシ原の消失によって,今後,多くの集団ねぐらが消失したり,その規模が小さくなったりする可能性が高く、ツバメが安心して集団ねぐらを形成できる環境を維持するためには,ヨシ原自体を保全する必要がある。また、多摩川においては、いくつかの大規模なツバメの集団ねぐらが知られていたが、多摩川流域全体の状況は知られていなかった。
そこで、本会の呼びかけにより、多摩川流域のツバメの生態の解明及び多摩川の河川環境等の保全に資するため、ツバメの集団ねぐらの調査を実施するとともに、その情報を参加者で共有することを目的とし、多摩川流域で活動する団体や個人により、2002年12月に多摩川流域ツバメ集団ねぐら調査連絡会を結成した。2003年の調査結果は以下のHPに掲載されている。http://homepage3.nifty.com/tamatsubame/
2003年迄の多摩川日野用水堰(平堰)付近の年次別ツバメねぐら入り羽数(ピーク時)は第2表、2002年のツバメねぐら入り羽数の時期別変化(多摩川平堰八王子側)は第3表及び第1図の通りである。
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