4 ツバメの生活

Q27 ツバメが1日に食べる虫の種類と量はどのくらいですか。

A27 ツバメが捕る虫は、子育て中の巣の下に落ちている虫を調べると分かります。カ、ハエ、アブ、ユスリカなどの双翅目類が過半数を占め、そのほかに小型のガ、チョウ、トンボ、カゲロウ、シロアリなどです。子育て中の親が餌を運ぶ回数は、1時間当り約40回です。この時期1日の活動時間は13時間で、1日に520回(40回*13時間)即ち520匹の虫を子ツバメに与えます。一つの巣で繁殖する子ツバメの数は平均5羽ですから1羽当り1日に104匹(520/5)の虫を食べる計算になります。親ツバメが自分で食べる虫は、子ツバメの2〜3倍とすると200〜300匹と想像されます。ツバメが運ぶ虫は1回に1匹とは限らないとすれば、この計算以上の虫を捕っていることになります。

   (「多摩の動物群像」金井郁夫著(かたくら書店新書)、Q19参照)

野鳥は1年間に虫をどのくらい食べたのでしょう

キクイタダキ

エナガ

コガラ

シジュウカラ
夏(200日)1日に要する乾物量

1.8g

2.86g

2.86g

3.4g
冬(165日)1日に要する乾物量

1.44g
1年間に要する乾物量

600g

800g

1,000g

1,100g
上記乾物量に相当するマツシャクトリ幼虫の数

夏1日

209匹

290匹

333匹

395匹

冬1日

167匹

231匹

281匹

277匹

1年間

69,000匹

96,000匹

113,000匹

125,000匹

弥富野鳥園パネルより(98.12.14)

Q28 ツバメは時速何q位で飛びますか。

A28 ツバメは、飛翔力、旋回性能に優れ繁殖地の生活では平均47q位、渡りの時は平均55〜60km、時速200q以上で飛ぶと言われています。

(参考文献、黒田長久「日本野鳥記(鳥の世界)」)

Q29 ツバメはどのようにして水浴びするのですか。又水飲みは?

A29 水面に近づいた時に半身を水に浸しすぐ飛び立って水浴する。又水面すれすれに飛び嘴をわずかに水につけ水を飲む。何れも岸辺に降りることなく飛びながら行う。(下図参照、「バーダー APR 1996」)

<参考>
 水浴は、羽毛についたゴミやほこり、外部寄生虫の除去などのため行い、多くの鳥で見られます。(野鳥用語小事典)

 

Q30 ツバメはどの位(何才位まで)生きるのですか。

A30 野鳥は雛が成長になる半年の間が最も危険で死亡率87%と言われています。自然平均年齢は1年半位で、体が強く外敵から巧みに逃れ10年以上生きるものもいます。 

(参考文献、黒田長久「日本野鳥記(鳥の世界)」)

Q31 ツバメはなぜ電線に止まるのですか。

A31 はっきりした理由は分からないが、@空中での生活が多いので足が弱く電線の太さが止まり易い。A障害物のない周りの開けた電線は、餌となる昆虫が見つけやすい等が考えられる。古くは枯れ木や葦などに止まっていたと想像されます。

 

Q32 日本で記録されている「ツバメ」科の鳥は何種類いるのですか。又、その内、八王子市、日野市周辺で見られるのは、何種類ですか。

A32 「ツバメ」は、スズメ目ツバメ科という種類に分類されている鳥です。日本には「ツバメ」科の鳥は5種います。

  1. ツバメ:頭、背中、尾まで体の上部が黒く、腹部は白い。額と喉が赤いのが特徴。尾に深い切れ込みがあり、二つに分かれているのも目立ちます。
  2. イワツバメ:頭、背中、尾が黒く、腹部は白い。「ツバメ」よりひとまり小さく喉は赤くない。腰が白く、飛んでいる時よく目立ちます。
  3. コシアカツバメ:頭、背中、尾は黒色。腰は赤色をしています。腹部は赤っぽく黒い斑点が縦に入っている。ツバメより少し大きめで尾も長く見えます。
  4. ショウドウツバメ:頭、背中、尾にかけて茶色っぽい色をしています。腹部は白く胸にT字のような帯が見えるのが特徴です。ツバメより小さく尾の切れ込みも目立ちません。
  5. リュウキュウツバメ:頭、背中、尾は黒っぽく、腹部は茶色がかっています。 喉は赤。日本では奄美大島より南の南西諸島で見られる鳥です。渡りはしません。

八王子市、日野市で観察されている「ツバメ」の仲間は「ツバメ」「イワツバメ」「コシアカツバメ」で、この3種は繁殖しています。「ショウドウツバメ」は秋の渡りの時期に見られることがあります。 また「ツバメ」によく似た「ヒメアマツバメ」もよく見られます。でもこの鳥はアマツバメ目、アマツバメ科に属し、「ツバメ」とは違う種に分類されています。黒っぽい体をしていて喉と腰が白色。「ツバメ」より小さく尾も短かめですが、全体の姿は「ツバメ」によく似ています。足の構造の違いなどから別の種類とされています。空中で昆虫を捕らえるという同じような生活をし、姿、形も似ているので「ツバメ」の名が付いたと思います。

(あすなろう書房「ツバメのなかまたち」 「Q1参照」)

Q33 八王子・日野にはツバメは何羽位いますか。 数は増えているのですか、減っているのですか。

A33

  1. 八王子・日野市全域を調査した記録が無いので何羽いるか分かりません。しかし、淺川に限定してどの位いるかについての調査は八王子・日野カワセミ会が行っています。その調査結果によれば、淺川上流の大沢橋(恩方)から多摩川合流地(日野市)まで約22kmの区間には250羽〜300羽記録されています。
  2. 八王子・日野カワセミ会は1991年から毎年同上の調査を続けています。その結果によれば、1991年以降の10年間では、増加、減少という特に大きな変動は無いようです。しかし、1990年以前には淺川の調査記録が無いので、増えたか減ったかの比較が出来かねます。
  3. しかし、八王子市中心部の商店街である甲州街道のアーケードでは、1980年代はツバメが盛んに営巣していました。その後、この場所での営巣は0かあっても1巣程度にまで減少しているので、場所によっては明らかに減少している所もあります。このアーケードで営巣数は86年には22もあった巣が年々減少し89年には0になってしまった。その後、2000年迄この場所での営巣は0かあっても1巣程度であります。

 

Q34 ツバメの天敵は何ですか。

A34 ハシブトガラス、ハシボソガラス、オナガ、が巣中のヒナを捕食することが確認されています。アオダイショウ、ネコなども巣中のヒナを捕食することがあります。(日本動物大百科 第4巻 鳥類U Q22参照)

 

Q35 ツバメはどこで寝るのですか。

A35 日本に渡ってきた親ツバメたちは街中の電線などで寝ます。抱卵中は巣の中で寝ることもあります。若鳥は親から離れて、河原のアシ原などに集まって寝るようようになります。若鳥が巣を離れてアシ原などに集まり集団ねぐらを形成し始めるのは6月の終わり頃からです。

  (あすなろう書房 みる野鳥記2「ツバメのなかまたち」)

八王子周辺でも、多摩川の拝島橋下流500mぐらいのアシ原で集団ねぐらが確認されています。最盛期には2万5千羽以上の乱舞が、日没前後の18:30〜19:30頃に見られます。

 

Q36 ツバメはどのように鳴きますか。

A36 「土食って虫食ってしぶーい」と聞きなしされます。これは雄のさえずりを聞きなししたものです。この聞きなしは、ツバメの生態をも表しています。この他チュビッなどと鳴き、警戒する時にはツピーツピーと鋭く鳴きます。鳴き声を録音したものには、「「鳥」里の調べ」山渓CDブックス、山と渓谷社などがあります。

 「 野鳥識別ハンドブック」 高野伸二著 (財)日本野鳥の会

Q37 ツバメは越冬するのですか。 八王子・日野に越冬ツバメはいますか。

 

A37

  1. ツバメは春に東南アジアから日本に渡って来て、秋に帰る渡り鳥(夏鳥)なので、日本で越冬しないが、一部のツバメは日本で越冬することが知られています。
  2. 日本で越冬するツバメは浜名湖の周辺や霞ヶ浦の周辺で知られているが、八王子・日野では越冬ツバメの記録はありません。
  3. ツバメに良く似たヒメアマツバメは八王子・日野でも毎年100羽程度が越冬しています。このヒメアマツバメは留鳥であり、コロニー(集団営巣)を作る習性があり、八王子では私立八王子高校体育館に規模の大きいコロニーが形成されています。

Q38 白いツバメがいると聞くが本当ですか。

A38 本当です。同じ巣で生まれた雛の中に、まれに1〜2羽白色のものが出現し、珍しがられて新聞等で報道されることがあります。有色色素を欠くために白色化したもので「アルビノ」と言われ眼の虹彩や瞳孔の色素も欠くため、血液の色が透けてピンクや赤色となります。全身白化したもの、灰白色化したもの、体の一部が白色化したもの等があります。「アルビノ」は自然界では目立つため外敵に襲われることが多く永く生きることは少ないようです。ツバメの他スズメ、カラス、キジ等で観察されています。

(仁部富之助「野の鳥の生態」、唐沢孝一「野鳥用語小辞典」)

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