2003年迄浅川流域イワツバメ営巣調査
イワツバメはもともと浅川流域にいたものではなく、昭和の初め頃、長野県から害虫駆除の目的で、人工的に多摩市等に移されたものの子孫が帰巣本能によって定着し、浅川流域に分布を広げてきたものといわれている。
近年、八王子・日野市内でコンクリート橋の架設、道路、鉄道の高架化等の進展に伴い、イワツバメの営巣適地が増加している。浅川流域のどこに、どのくらいの規模でイワツバメが営巣しているかを1987年から毎年調査継続している。調査は浅川の本支流の各流域別に会員が分担して行うもので、毎年5月〜7月の間に2回現地調査を行い、その年に繁殖のために利用している巣の数をカウントし、2回のうち多い方をその場所の営巣数として記録している。
結果は第1表、第1図のとおりである。営巣場所数は、単年でみると毎年20〜30ヶ所前後であるが、営巣場所が固定したものでなく、年々少しずつ移動していることが判明した。
営巣数は1990年まではほぼ200前後、1991年から増加し、1993年には300巣を超えた。1994年に400を超えたのは、八王子高校とハザマ住宅で新たに営巣地が発見されたことによるものである。八王子高校のものは規模が大きく、同高校の聞取りによると1990年建設された年から営巣開始したとのことである。
営巣する構造物は浅川流域ではコンクリート建物(A)、コンクリート道路橋下(B)、コンクリート鉄道高架下(C)及びその他(D)に営巣する。(B)のなかにはコンクリート高架道路が含まれている。(B)及び(C)は構造的には全く同じで、営巣ヶ所数でみるとこの2つを合わせたものが次表のとおり最も多く、コンクリート建物は(A)は八王子高校を除き多くない。その他(D)はJR八王子駅で鉄製デッキプレート橋駅下である。
第1図
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